幽霊博物館

一年に一度だけ開館する博物館

開館日
毎年8月第4日曜日 午前10時から午後4時
場所
瑞祥閣

亡女(もうにょ)の片袖 幽霊博物館の所以(ゆえん)

大念佛寺が所有する宝物の中に「亡女の片袖」が存在する。

元和3年(1617)に箱根権現参拝していた奥州出身の巡礼者が、山中で摂津住吉の社人松太夫の妻の霊に出会い、平野大念佛寺の第三十六世道和(どうわ)上人に回向(えこう)を受けられるよう夫への伝言を依頼され、その証に亡女から朽葉色の片袖と香盒(こうごう)を手渡される。巡礼者は住吉の松太夫宅で事と次第を伝える。最初は疑っていた松太夫だが、亡女から証拠の品として預かった2品を見せると、松太夫は疑う余地なく道和上人に回向を願い出る。上人は心より哀れに思い、天得如来の前で一心に法要を執り行った。法要は夜更けまでおよぶと、夢ともなく現ともなく紫雲がたなびき、蓮華を踏んで薫香を帯びた女人が忽然(こつぜん)と現れ、極楽往生を遂げたことを告げ、西の空へ飛び去ったという。『片袖縁起』より

亡女遺愛の品である片袖と香盒は、大念佛寺へ納められ、現在でも宝物として伝わっている。

亡女(もうにょ)の片袖幽霊博物館の所以(ゆえん)

謎の幽霊画 作者、来歴不明の十二幅

大念佛寺に納められた十二幅の幽霊画はいずれも作者不明。全て一人の画家が描いたであろうそれらには画印もサインも存在しない。

残念ながら幽霊画の写真はお見せできません。幽霊博物館にて是非現物を御覧ください。

十二幅の幽霊画のご紹介

累怨霊(かさねおんりょう)の図 江戸三大幽霊の一つとして名高い累の怨霊図
平知盛(たいらのとももり)亡霊図 壇ノ浦に沈んだ平家の亡霊が、源義経の海路を妨げたとする武将図
姑獲鳥(うぶめ)図 産死した女性の霊が化かすという姑獲鳥図
菅公(かんこう)怨霊図 無実の罪で大宰府に流罪となったその怨念図
皿屋敷(さらやしき)お菊亡霊図 有名な皿屋敷怪談のお菊亡霊図
囲碁師(いごし)亡霊図 黒白の碁石が散乱する碁盤の下から化けて出る血塗れの亡霊図
仙台高尾(せんだいたかお)亡霊図 隅田川に浮かぶ屋形船で惨殺された遊女、高尾亡霊図
小幡小平次(こはたこへいじ)亡霊図 水底に葬られた旅役者、小幡小平治亡霊図
笑い般若図 死者が四十九日の間家屋の棟にとどまる中有を表す
柳の下幽霊図 陰と陽を表す日本的な幽霊画
野晒(のざら)し図 風雨に晒されて白茶けた図骨、すべては無に回帰することを表す
佐倉宗吾(さくらそうご)怨霊図 下総(千葉県)に伝わる義民伝説、主人公の佐倉宗吾の怨霊図