永代祠堂

永代祠堂について

本堂でつとめる勤行は1日3度、勤行の折にご先祖回向を行っています。

※宗教、宗派は問いません

ご先祖を護持(ごじ)すること

先祖を自宅の仏壇で祀(まつ)り、菩提寺のお寺様がお彼岸やお盆にお参りに来られて十分に供養は行き届いているはずですが…と思われる方が大半でしょう。両親をはじめ、ご先祖が自宅で祀ることは当たり前のようですが、今後は珍しいことになりかねません。家督(かとく)を継(つ)ぐということは土地や財産を相続する以上にご先祖が宿る仏壇と墓地をしっかり守るということが肝要(かんよう)に思えます。しかし、核家族が進む現代で、自宅に手を合わせる場所がない家庭が増え続けています。

そのような時、子供が一人娘であるとか、遠くに引っ越したなどを理由に仏壇があるけれど今後は守ることが出来ないということが起こります。今までは定期的に供養がなされていた仏壇も次第に読経(どきょう)の声は消え、花は枯れ、埃は積もっていくことでしょう。

私たちはご先祖があってこそ存在します。できる限り守り続けて頂きたいのがお寺の切なる願いなのです。

「どうしても仏壇を見ていくことが出来そうにない」

永代祠堂は今まで自宅で行っていた先祖供養を寺院の勤行(ごんぎょう)で替わりに行うというものです。自宅の仏壇に祀られている位牌(いはい)などから魂を頂いて寺院にて読み上げることを言います。

諸事情により「どうしても仏壇を見ていくことが出来そうにない」という事由は昨今増えつつあります。お世話が滞ってしまった仏壇を抱えてしまうと、生きている我々の心は少なからずご先祖に思いを馳(は)せて「申し訳ない」気持ちになってしまうことでしょう。また、その後ろめたい気持ちにならなくてはなりません。永代祠堂はその気持ちが少しでもおさまり安心して頂くためのものでもあります。きっとご先祖様もまた全てを承知して安心されることと思います。

どうしても仏壇を見ていくことが出来そうにない

大念佛寺の永代祠堂

大念佛寺の永代祠堂

永代祠堂の扱いはお寺により様々ですが、大念佛寺では現存する祠堂として江戸時代に勧募(かんぼ)された「日月祠堂位牌(にちがつしどういはい)」を祀る位牌堂(圓通殿(えんつうでん)があります。そこには当時勧進された祠堂位牌がずらりとならび、それぞれに亡き人の戒名が刻み込まれています。古くは永代祠堂結縁(けちえん)のしるしに位牌をつくりそれらを堂で祀り、戒名などをそのお堂で回向していたのです。現在では位牌は作らず、4冊からなる「永代祠堂帳」に戒名と施主名を明記して本堂で勤行を行う場所(維那場(いのうば))に安置しています。4冊の「祠堂帳」はそれぞれ読む頻度により種類分けされています。

種類 内容 祠堂料
三時常回向
(さんじじょうえこう)
一日三回、50年間、ご回向させていただきます。 50万円
日牌回向
(にっぱいえこう)
一日一回、50年間、ご回向させていただきます。 30万円
月牌回向
(がっぱいえこう)
月に一回、50年間、ご回向させていただきます。 20万円
忌日回向
(きじつえこう)
年に一回、50年間、ご回向させていただきます。 10万円

それぞれ本堂での勤行で
祠堂帳面を読誦(どくじゅ)致します。

お申し込み

お申し込みから当日の流れについては「お申し込みの流れ」ページをご覧ください。

お申し込みの流れ

永代の意味

永代とは永久といった意味と同じですが、融通念佛宗では50年の区切りを設けています。

人に死が訪れた時、亡き魂が位牌に宿ります。その魂は言わば新しい魂で供養がなされておらず、念仏が足りていない猛々(たけだけ)しい魂ということから、「荒魂(あらみたま)」と呼ばれています。その「荒魂」に対し、生きる我々が供養を施(ほどこ)し、手を合わせ、戒名を回向し、念仏を称えることで次第に穏(おだ)やかな魂へと変化させていくのです。その供養に要する期間が50年と言われています。50年後「荒魂」は供養が満ち「和魂(にぎみたま)」となります。

人は二度死ぬ

心臓の鼓動がとまり、息を引き取る… 死の訪れ

誰もが理解することです。しかし、私たち人間にのみもう一つの「死」があると聞きます。

それは一体何を指すのでしょう。ある日、死に直面した私たちは悲しみに暮れ果て、亡き人に手を合わせ、残された親族に思いを巡らせることでしょう。しかし、時の流れは次第にその感情を薄めていくものです。自身の生活にまみれて故人との思い出は風化されていきます。これが、二度目の死なのです。

二度目の死は私たち次第で訪れることはありません。

大切な存在は常に心の中に生き続けています。